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:2017年1月21日 第6回不登校セミナー「不登校の体験談を聴いてみよう」

1月21日(土)、早良市民センターにて「第6回不登校セミナー」が開催されました。
平成28年度最後となるセミナーは、寒い日にもかかわらず、不登校に悩む当事者の方や支援者、行政の方など26名の方が集いました。
不登校サポートネット事務局代表でもある長阿彌幹夫氏より「不登校の基本的理解」の基調講演、その後子どもが不登校になった保護者による対談が行われました。


1.不登校の基本的理解
「不登校」を悪いことを思っていませんか。
「不登校」にそういうレッテルをはってしまうと、スタートからつまずいてしまいます。

不登校児童・生徒は全国で17万人といわれます。
小・中学生は12万人、高校生は5万人。しかし、高校生は不登校後中退してしまい、特にフォローもないので、5万人といわれていますが実態はわからないのが現状です。

なぜこうなってしまったのでしょうか・・・以下のようなことが考えられます。
①格差の拡大
※全国的に貧困が増加しています。所得格差の深刻化がいわれています。
②大人社会の利己的な考え方(自分さえよければよい)の蔓延。
※勝ち組志向、高学歴志向、そしてお金があればよいという考え方。
※自分自身の中に中卒だと恥ずかしいという気持ちはありませんか、学歴ではなく個人の生き方が幸せにつながるのではないでしょうか。

子どもに「「負けるな!」「人を押しのけてでも・・・」「よいお給料を取れ」という大人の考え方をおしつけていませんか。
私たち大人側に意識の改革の必要があります。

具体的な対応として
①親の意見を押し付けない。
子どもの気持ちや意見を尊重するということですが、それは子どもの言うとおりにすることではありません。
「君はそう思っているんだね」と、子どもの気持ちを一旦受け止めるということです。

②子どもの先回りをしない。
子どもには失敗する権利があります。子どもは失敗からいろいろなことを学びます。
不登校になると安易に通信制単位制高校に行けばよい、と考えがちです。でも本人の「行きたい、行かせてほしい」という気持ちが大事です。

私たち自身(親)が夢や希望をしっかり持つことです。
大きな夢や希望でなくても、趣味程度でもよいのです。
何かに燃えている人は子どもから見てとても魅力的な大人に見えます。・・・子どもはしっかり見ています。

子どもには限りない時間と選択肢があります。
中学を出てからも生きていく道はたくさんあります。
学歴より資格が役に立ちます。
親や大人がこのようなことを意識しながら生きていけば子どもが暮らしやすい社会になります。

また、場合によっては「休む」という選択も必要なことです。
お子さんと向き合える「大人」になりあっていきましょう。


2.「不登校体験を語る」
基調講演に続いて「不登校体験者によるパネルディスカッション」が行われました。

今回の体験者は子どもの不登校体験をもつ母親、SさんとMさんのお二人。先ほど基調講演を行った長阿彌氏がコーディネーターとしてお話を伺いました

Mさんには二人の息子さんがいます。下の息子さんが中学1年の12月頃から不登校に。
フリースクールを経て高校へ進学、現在は大学1年生です。昼間は働いて夜は二部(夜間)の大学に通っています。

Sさんにも高校3年と中学3年の二人息子さんがいて、下の息子さんが中学1年の6月から完全な不登校に。
中学3年の夏頃までほとんど外出もできない状態でしたが、最近は週1回くらいのペースで学校に行っています。

※不登校の原因についてどう思いますか。

Mさん: 言葉で言えずにノートの端にメモで「学校に行かない」と書いてあって・・・
最初は部活仲間とのトラブルかと思っていましたが、高校生になって聞いても「よくわからない」と。今考えるとそれだけでなくいろんなことが積み重なっていたのかなと。

Sさん: うちは上の息子がやんちゃで・・・。最初はそれが辛くて下の息子は家の外に出ていましたが、兄が高校に入り寮生活で家から出ると今度は家から出なくなりました。
クラスの中にいることが苦手、制服が嫌い(肌ざわりがいや)など持って生まれたもの(特性)があって、がまんできないようです。この子にとって家は居心地がよいようです。

長阿彌: うちの場合も娘たちが不登校でしたが、当時娘(次女)に聞いても「ようわからん・・・」と。
次女が不登校時の話ができるようになったのは30歳過ぎてからです。
不登校の時は本人も苦しいし、その気持ちを他人に上手に伝える言葉を持っていません。

※お子さんが不登校になったときの気持ちはどうでしたか。

Mさん: 最初は車で無理やり連れていきましたが、3回であきらめました。
この子はどうなるんだろう?と子どもの将来について悩み、自分が耐えられなくなって、子どもに「このままじゃ浮浪者になる・・・」とその不安を言葉で言ってしまいました。

Sさん: 上の兄がやんちゃで中学に迷惑ばかりかけ、やっと高校に進学したのに、今度は弟が行かなくなって・・・もう自分自身が持たないと感じました。実際に当時の記憶がないところもあるくらいです。

※お子さんへの対応はどうしましたか。

長阿彌: それほどの状態にあったお二人が、落ち着いて子どもさんに対応できていったきっかけは何でしょうか。

Mさん: 最初にえがお館に相談、その後にフリースクールへ行き始めました。
子どもが学校以外では元気に行くのを見て、親としてはうれしく、だんだん考えが変わっていきました。

Sさん: 今でもまだ向き合えているのかどうか?わかりませんが・・・
サポーター養成講座(注参照)を受講してから気持ちが楽になりました。
「語り合いませんか」に誘われて参加し、話をする中で一番辛いのは子どもなんだとわかりました。

長阿彌: お二人を(ずっと)見ていますがずいぶん変わりました!

Mさん: 私もサポーター養成講座を受けましたが、その頃はパニックになっていて切羽詰まった状態でした。気持ちがぐるぐるしていました。
でもここでは誰も私を否定しないし、話をさせてくれる。「次に来ようかな」という元気をもらえて通えました。

長阿彌: サポーター養成講座は教育委員会と一緒におこなっている講座で月1回、6回講座です。不登校の当事者の方を支援するための講座ですが、支援者だけでなく当事者の方の参加も多いです。
Mさんは3期生、Sさんは5期生です。お二人とも今は不登校サポートネットの事務局のスタッフをしています。
人は良いほうに変わっていけます、お二人がそれを証明してくれています。

※今のお子さんの様子(変化)は?

Mさん: 昼はコンビニでバイトして夜間の大学に通っています。実は私はこのような生活では途中で疲れてダメになると思っていました。でも子どもにまかせることが大事だとわかりました。
子どもは今とても元気にしています。

Sさん: 中3の息子は高校に行くと言って、本人のペースで受験しようとしています。でも受験の書類を書く段になると、親の私の方がイライラしてしまって。
子どもは頑張っているのに・・・問題は自分にあるんですね。
私自身が締め切りに間に合わせたいタイプで、これは子どもの問題で私の締め切りではなく、子どもの締め切りなんですよね。やっとそこを分けることができたのが、昨日、今日です。
わかっていてもこの感情(イライラする)から抜けるにはどうしたらいいんでしょう。これが今の私の課題です。

長阿彌:  よいところに気が付かれましたね。
先日の個人相談でも不登校の子どもの状態を受け止められない、そんなときどうしたらよいのでしょうという質問を受けました。
せめて学校に行かない時にすまなそうにしてくれればいいけど、ゲームをしてへらへらしている・・・と。
親は子どもを思い通りにしようと思っていませんか。学校に行かないときには親の前でシュンとしたな態度をとって欲しいと思っていませんか。
お子さんが一番苦しんでいます。


※最後に皆さんにメッセージを! Sさん: 行きづまると考えが堂々巡りになってしまいます。
私はそんな時に整骨院へ行きます。血行が良くなって気持ちがパァッとなって、簡単に気持ちがリフレッシュできますよ。
思いつめないようにすると楽になるのかと思います。

Mさん: 自分の気持ちを言うと自分が楽になります。
最初、私は自分が責められると思って電話できない、相談できない人でした。
でも「ほっとライン」や「語り合いませんか」では、よりそいネット事務局の方は聴いてくれるし、受け止めてくれます。
言葉に出すとよいと思います。私はここで受け止めてもらえました。よければ皆さんもここを利用してください。

長阿彌: ありがとうございました。Mさんも最初は無口な方でした。私も今、お話を聴いて感動しています。
言葉に出すというのは大切ですね。自分の中にあったものが自覚できます。
かけがえのないお子さんの存在に気づいたときに、お子さんとの向き合い方がわかってくるのではと思います。
ではここで体験談は終了いたします。本日はありがとうございました。  


注)サポーター養成講座:「不登校生の保護者支援サポーター養成講座」
7月~12月、毎月1回連続6回講座。  
      福岡市教育委員会生涯学習課主催。対象は、不登校生の保護者当事者、支援者。
      市政だよりにて告知。     

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